眠りのあとに起こったミステリー

hayashida20052007-07-10

安井から借りたハルヒ(憂鬱、退屈、消失)の感想。
何やら続編製作が決まったというアニメ版は先に全部見ていた。面白かった。エヴァみたくわけわかんない終わり方にしなかった点が好印象。


で、元になった小説を読んでみると、アニメ版が如何に原作に忠実に作られていたかがわかってもう一度見返したくなった。いや、本来逆なんだろうけど。もうひとつの驚きは、小説版に期待していた「アニメ版で描写されなかった部分」に関して、ほとんど何も得られなかったこと。あと、村上春樹が好きな若者が書いたふうの比喩表現が鼻につきすぎる。ここまでくると字数をかせぐために書いてんじゃねーかって気がする。キョンの1人称もな〜、なんか「そこそこヒット数のあるオサレ系テキストサイト(死語)」って感じでキモい。フォントサイズ2の。照れ隠しの1人ツッコミ(何やってんだかねetc...)とかさ〜。はずっ、恥ずかしいってー。小説読んでキョン嫌いになったよ。


学園ラブコメが急速に方向転換していく醍醐味がこの話の面白さの全てと言い切ってもいいので、「〜憂鬱」以降はまるごと蛇足だ。なんでもアリの世界だし。それでもキャラに興味があれば面白く読めるかもしれない。しかし僕は登場人物の誰にも特に惹かれなかったので、なんか苦痛〜。全員類型的だし。しかもこの類型的ってのが、どっからどこまで筆者の力量の無さか判然としかねるとこがミソだな。そもそもほぼ登場人物全員がハルヒの妄想の産物みたいなもんなんだから。


『悪意』が面白かったので東野圭吾の加賀恭一郎シリーズを読み漁っていた途中に無理矢理ハルヒ3冊を読んだわけだけど、なんつーか、人物描写、レトリック、構成等あらゆる面で落差がありすぎていろいろと哀れをもよおした。スニーカー文庫ってどんな人たちが読んでるの??? ハルヒ面白い言ってる人たちは、新スタートレックをお勧めしたい。妄想具現化、パラレルワールド、人間に憧れるアンドロイド、超能力、タイムスリップ、チャンドラー、ドイル、ウーピーその他ありとあらゆるもんが詰まってるぜ?