ここにもひとり、人間のふりをしている仲間がいる―わたしと同様に

『デクスター』読了。まあ面白かったけど、期待してたほどではなかったかな。もっと殺すのかと思ってた。ドラマではどうなってるんだろ。殺人鬼の内面を描いたやつでは『ハサミ男』や『殺戮にいたる病』の方が面白かったし、ミステリとしても上だと思う。

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 っつーか、『デクスター』のオチはミステリとして見るとちょっと……ゴニョゴニョ。夏に続編(正確には3作目)が翻訳されるらしい。ま、買うけどね。シリアルキラーが主人公と言っても、殺されても仕方ないような殺人鬼や変態しか殺さないので、テイストは必殺シリーズに近い。表向きは立派に社会に適応している。なんか仕掛人の傘張浪人・西村左内を思い出した。辻斬りからスカウトされて仕掛人になった異色*1の人。どう考えても仕掛人になる前に罪の無い人を相当殺してる。

http://video.google.com/videoplay?docid=-6827685905068361706&hl=en
http://video.google.com/videoplay?docid=-6827685905068361706&hl=en

 動画は左内が1人息子の誕生日祝いのことを気にしながらの殺陣。番傘で返り血を受ける(ファンの間では)有名なシーン。何人も斬り殺して家ではニッコリ誕生会。すごいギャップだ。

*1:辻斬りする相手に「これが俺の病でな」と言い切るシリアルキラー。念仏の鉄もこのタイプ。